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Hauptbahnhof Gleis7
アトリエ劇研創造サポートカンパニー公演
『和え物地獄変』

脚本・演出:金田一 央紀
場所:アトリエ劇研(京都府京都市左京区下鴨塚本町1)
日時:2016年9月1日(木)~4日(日)

出演

赤坂 咲空/伊勢村 圭太/浦賀 わさび/延命 聡子/大崎 詩織(劇団ちゃうかちゃわん)/小野寺 未季/ガトータケヒロ/河合 厚志/川本 泰斗(BokuBorg)/楠 海緒/嶋本 禎子(虹色結社)/勝二 繁/鈴木 翠(演劇ユニット遊走子)/辻 智之/土肥 嬌也/髭だるマン(爆劇戦線⚡和田謙二) /藤居 里穂/三鬼 春奈/山下 多恵子

あらすじ

天狗の鼻を折られた葛飾北斎が地獄に落ちた。
地獄で北斎は「地獄変」を描き続ける一人の絵師と出会う。
絵のために自分の娘を生きたまま燃やしたという。
同じころ、北斎を失った版元の蔦屋重三郎のもとに、東洲斎写楽と名乗る絵師が現れる。
次々とヒット作を飛ばす写楽だったが、やがてその筆が止まってしまう。
少年・葛飾北斎があの世とこの世を大奔走!
狐と天狗を巻き込んで東へ西へ大騒動!

ごあいさつ

はじめましてこんにちは、Hauptbahnhof(ハウプトバンホフ)と金田一央紀です。
今回は画家の話です。
「見れば描ける人」と「見なくても描ける人」と「描かせる人」の話です。
いまさら、分かりきったようなことを言いますが、画家にとって絵はコトバです。
描きたい「アレ」があって、自分の技術を総動員して「アレ」を絵にします。
逆に、「描かせる人」にも描かせたい「アレ」があります。
絵を描けないからこそ、「アレ」をなんとか画家に伝えて、描いてもらうのです。
「アレ」がいったい何なのか、絵にしてみないとわからない、ということはよく起こることだと思います。

画家の話に限ったことではありません。
「言われたら、わかる」と言っている人、いませんか。
「言ったってわかんないよ」と言われている人、多くないですか。
「言わなくてもわかってくれる人」を、探してませんか。
世の中そんな甘くないですから、僕たちはコトバを尽くしていかなきゃいけない。
想像力がどんなにたくましくても、コトバがつたなくては「アレ」が伝わらない。
けど、いつまでたってもコトバは「アレ」に追いつかない。
とりあえず出来上がったコトバが「アレ」に近いかどうか判断する暇もなく、
僕たちは次々とあふれ出る「アレ」をコトバにしていかないといけない。

そんな時に、「お前の言う『アレ』とは『コレ』だろう」と言ってくれる人が現れたらどんなに幸せだろう。
いやいや、そんな都合のいいヤツはどこを探したっているはずがない。
きっと狐か天狗に騙されているんだと、心を鬼にして、僕らは表現を続けます。
そもそも「アレ」を自分は持っているのか、疑わしいときだってあるけれど。

さて、今回は役者が19人もいます。
スタッフも含めるとかなりの大所帯ですので、いろんな面白いことができそうです。
面白いことをやるために「アレ」が必要です。「アレ」がないといけません。
しかもお客さんがいないと、「アレ」は出来上がらないのです。
いまさら、当たり前のことを偉そうに書いていますが、
当たり前だからこそ、忘れがちなんです。
なので、ぜひ、見に来てください。
葛飾北斎と狐と天狗と怨霊が入り乱れながら地獄と浮世でお祭り騒ぎをするつもりです。
いまさらですが、演劇はお祭りじゃないといけないと思っているので。

主宰・金田一 央紀

スタッフ

脚本・演出:金田一央紀
舞台監督:北方こだち/舞台美術:竹内良亮/照明:真田貴吉/音響:小早川保隆/音響操作:北島淳/衣装プラン:太田家世/衣装作成:鈴木貴子/所作指導:宇高竜成(金剛流能楽師)/演出助手:にさわまほ(同志社小劇場)/演出部:千葉耕平/宣伝美術:サカイシヤスシ(LaNTA Design)/Web製作:太田家世/制作:チづる(ブルーエゴナク)/制作協力:前田瑠佳(エイチエムピー・シアターカンパニー/笑の内閣)/共催:アトリエ劇研/企画・製作・主催:Hauptbahnhof/後援:京都舞台芸術協会

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