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Hauptbahnhof Gleis4
『さよならをしたあとのうた
~新古今和歌集巻第八哀傷歌より~』

原作:新古今和歌集
構成・演出: 金田一 央紀
場所: 宇宙館(東京都世田谷区松原3-19-2)
日時: 2013年4月18日(木)~21日(日)

出演

斉藤真/曽根浩貴/中里順子(恥御殿)/中村健/西山愛/宮山知衣(On7)/森一生/安野敦洋

スタッフ

構成・演出:金田一央紀/振付:丸山和彰(CAVA)/舞台監督:和田真生/照明:越川裕子/音響:堤裕吏衣/音楽:金津朋幸/宣伝イラスト:サカイシヤスシ(LaNTA)/制作:氏家綾子

ごあいさつ

新古今和歌集に載っている和歌を使って、現代劇を作っていきます。
数ある勅撰和歌集の中でも特に華麗で繊細な、時にマニアックなまでに技巧を凝らした和歌を集めたことで知られている、新古今和歌集にチャレンジします。
元々が和歌ですし、新古今和歌集そのものが、いろいろなところからいい和歌を寄せ集めた、いわば天皇プロデュースのコンピレーションアルバムですから、一つ筋の通った物語にしていくのは難しいのです。
ただ、一つ一つの和歌をながめているうちに、歌に封じ込められた物語や、歌と歌を並べると生まれてくる物語が広がっていくことがあります。
その広がった物語をなんとかして演劇にしたい。今回はそういう思いで作っています。
新古今和歌集といっても、収録されている歌は約二千首もあります。
今回は亡くした人を悼む心を詠んだ第八巻「哀傷歌」を取り上げていこうと思います。
愛する人に先立たれたり、友人を亡くしたり、悲しみに沈んでいる友人を慰めたり、といった歌を集めた第八巻。死んだ本人が他人の夢に現れて詠んだ歌も載っていたりします。
新古今和歌集の中では地味ではありますが、美しい一巻です。
およそ八百年前の日本人はこれを理解し、いいものであるとして大切にしてきました。
コトバに古さや新しさはあっても、表現する心に変わりはきっとありませんから、現代の私たちにも理解できるものがあると思うのです。
かなしいことのあった人も、そうでない人も、元気になる芝居を作ります。

主宰・金田一 央紀
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