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Hauptbahnhof Gleis1
『シズウィ・バンジーは死んだ』

原作:アーソル・フガード「Sizwe Banzi Is Dead」より
翻訳・構成・演出: 金田一 央紀
場所: Havana Cafe(東京都港区六本木4-12-2 1F)
日時: 2011年1月23日(日)

出演

坂本七秋(劇団クロックガールズ)/安野敦洋

スタッフ

舞台監督:和田真生/音響:清水千年/宣伝美術:中田舞子/制作:氏家綾子

ごあいさつ(フライヤーより)

「シズウィ・バンジーは死んだ」(原題:Sizwe Banzi Is Dead)は1972年10月8日に南アフリカのケープタウンで初演された演劇作品です。
シズウィ・バンジーはこの作品の登場人物の名前ですが、南アで使われているコーサ語で、「大きな国」という意味もあります。当時の南アフリカはアパルトヘイト政策によって、黒人差別がまかり通っていました。そういう状況を痛烈に風刺して作られた、黒人による二人芝居ですので、上演中に警察の妨害が入ったりしました。
芝居をするにも命がけでやっていたわけです。
1994年にネルソン・マンデラが南アの大統領になって、ようやくアパルトヘイトの時代はその幕を閉じます。サッカーのワールドカップが開かれたりしていますが、まだまだ安全な国とは言えそうにないのが現状です。
そういう南アフリカの舞台作品ですので、南アフリカの知識があれば楽しめるかもしれません。けれど知らなくても、この作品の持っているものを楽しめるかと思います。なぜなら、上演する場所は日本の六本木の小さなカフェですし、演じる役者も日本人で、日本語で上演しますし、演出家も日本人です。南アフリカのことを博物館に行くような気持ちで知りたいと思うなら、いい映画が他にもたくさんありますし、そっちを見たほうが面白いでしょう。博物館では分からないことを、演劇で感じる、というのが今回のお芝居です。あと、この作品をやるにあたって、政治的な理由はありません。
僕らには「この作品が作り出すグルーヴを感じたい」という演劇的な理由だけがあります。なにしろ面白い脚本があったから、それを上演したいと思ったわけです。
ぜひ見に来てください。お客さんがいないとグルーヴが起こらないのです。
次世代に生きる僕たちも命がけで芝居をやっています。

主宰・金田一 央紀
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